人の心は、何人も、まず姿勢に現れます。心乱れているときは、姿勢が乱れ、心が安定しているときは姿勢も安定します。ですから、逆算して、姿勢に注視し正す事で、人生は大きく変わるのです。では、どのような姿勢が理想かというと、
生活にメリハリを付け、日中は、背筋が伸びてまっすぐな状態が理想です。
●骨格構造から見る理想の姿勢
背筋を伸ばすのは、骨格構造の上からも生物学的にも理想だと言えます。これについて少し記します。
下図をご覧ください。
地上の全ての現象が、もれることなく3点の配置で成り立っています。(三点蟻道の法則)
基本的には、上図の通り基点2ヶ所と杖点1ヶ所です。これは他項にて記した、「陰・陽・太極」とも表現できます。ここでは「草食動物の頂点」として人間、「肉食動物の頂点」として、恐竜(ティラノサウルス)
で考えています。この骨格構造を見れば明らかですが、
・人間は両足の2地点を基点として、垂直方向に胴体が付き、最高部に頭部が位置します。
一方
・恐竜は、両足の2地点を基点として、水平方向に胴体が付き、片方に頭部が位置します。
つまり、人間は本来、草食動物として、この形が最も人間に適合し、進化の最終形態ということになり、必然的に臓器・神経系・筋肉系と全てがこの形態に適した状態を保っています。ですから、前屈(かが)みの姿勢などは臓器を圧迫し、
呼吸が浅くなり正常な動きを阻害することになります。このように、構造面から体の正常な機能を保持するためにも
背筋を伸ばし、顎(あご)を引
き、背骨から頭頂が一直線になるようにする
ということが、大切になります。これは、左足から入る「気」を、スムーズに右足から出すためにも、姿勢が正しいと
、流れが正常に機能し、免役性を高めるという結果を生みます。
さらに言えば人体のエネルギーは背骨を中心に下から上に流れています。尾骶骨から背骨へと螺旋状に上昇するエネルギーの通りを良くするためにも背筋が伸びている必要があります。(ヨガなどでは、クンダリニーの上昇という、”Kundalini”(クンダリニー)は、サンスクリットで「螺旋を有するもの」を意味する”。グルジェフによると、クンダリニーは、人間が地球上に存在する目的を知られることがないように、安全装置として取り付けた、とする。)
※恐竜などは、背骨につながっている「しっぽ」が長く、いわゆるエネルギー値が高い構造体となっている。
●姿勢で変わるホルモンバランス
社会心理学者エイミー・カディが面白い調査をしています(注1)。それは、やる気や自信をつけさせるといわれる「テストステロン」という脳内ホルモンの分泌量の調査です。結果は、
(左データは、TED動画より、抜粋抽出)
・2分間、力強いポーズをする → テストステロンが20%増し
・2分間、力の弱そうなポーズをする → テストステロンが10%減少する
というのです。いわゆる、人はどのようなボディランゲージをするかで脳内ホルモンの分泌も変化するという調査報告です。このデータを見ても人の姿勢が具体的にホルモンに影響し、ひいては発想や身体、臓器の活動にも影響を与えることが解ります。
●姿勢を正すだけで、運が良くなる
結局、
・姿勢が悪い → 心が乱れている・疲れがたまっている・悪いことをしている・体に痛みがある・マナーが悪い・頭が重い・魔が入る → 運が悪い
・姿勢が良い → 心が安定している・疲れていない・良いことをしている・体の痛みはない・マナーが良い・頭がスッキリしている・神気が入る → 運がいい
というような特徴が浮かび上がってきます。ですから
逆に、無理をしてでも、ポーズでも、姿勢を正すことで、以上のような良い状況を創りだしていく
、ということが可能になるのです。
● 姿勢を正す工夫が必要
とはいうもののスグに忘れてしまうものです。姿勢が悪いが習慣化してしまっているのです。当然、そのためには生活の中に、姿勢を正す習慣を入れるしかありません。例えば
・食事の前は姿勢を正す。
・1日10分でも座禅の時間を持つ
など決めると良いかもしれません。
そのうちに背筋を伸ばすと気持ちいい、という感覚が生まれるはじめると成功です。
因みに、我が家では、可能な限り家族がそろって食事をとるようにし、食事の前には、皆が姿勢を正し、目をつぶって腹式呼吸をします。鼻から吸って、かすかに口から吐き出す。そして戸主である私が皆の姿勢と呼吸が整ったことを確認すると、私が口を開き
「すべての命に感謝致します。いただきます」(このあと皆が「いただきます」)
と言って食事が始まります。もう18年間続いています。不思議なもので、この時、悩み事や心が乱れている子供がいると確実に姿勢は乱れています。そこで、食事中に
「今日はどうだったか?」
の問い掛けとなったりします。
結局、「姿勢」は家族の物心両面にわたるサイン、バロメーターとも言えるでしょう。親も子も、夫婦も皆がそこに気づいて声かけしてあげる。その気遣いが大切です。
● その他の工夫
さて、このようにチョットした工夫1つで、姿勢は正すことが出来ます。以下、思いつくままにいくつか記します。
・デスクワークの多い方
・「片方づつ、右手をブルブル振ったら、左手をブルブル振る」
デスクワークの人などはこれだけでもバランス調整され、背筋が伸びるようになります。
可能であれば、腕からグルグル回す。(これも片方づつ交互に)
(両手を同時に同じ動きをするのは不可です。片方づつが基本です。その意味から
も、すべてを左右対称に動かすラジオ体操は好ましい動きではない)
・人は、どんなに悪い姿勢でも、歩けば、相応に背筋が伸びます。つまり、「時々歩く」が良いのです。そういう意味からもトイレに行くも姿勢を良くするためにも必要な行動ということになります。また、左足を交互に出す動きが右脳左脳のバランス調整にもなります。
・上記に関連して、立って仕事をする。ずっと座っている必要はありません、資料を見る時などは立っていても良いのですから、立ったり、座ったり、歩いたり、を可能な限り繰り返すのです。立つとスピードもアップします。
・子供に対して
・まず親が姿勢を良くする。
・良い姿勢と悪い姿勢をやって見せる。そして「どう感じる?」と
、視覚的に体現して見せる。
・姿勢を良くするだけで、心が安定し、成績も上がることを伝える。
・姿勢が良いと「カッコいい」ということを教える、
このとき「カッコいい」という言葉が大切、現代の子供はこの言葉に弱い。(これは他にも使える)
・「姿勢を良くしなさい!胸を張りなさい!」
と、しつこく言うと、そのことがプレッシャーになり逆効果になる場合があるので、「背中の肩甲骨をよせるとカッコいいよ」と教える。自然と背筋が伸び、胸を張った姿勢になる。
・この項の最後に紹介している動画を見せる。
その他にも、生活の中で姿勢の悪い時を探してみてください。ある家庭では、食事のあと、いつも子供は、リビングのソファーに寝転がってテレビ、時に寝込む・・・という実態から、ソファーを撤去して腰かけるタイプに変えました。案の定、テレビは見ているものの寝込むこともなくなり、テレビを見る時間が短くな
り、机に座る姿勢も良くなった。という報告もあります。これはファミレス効果といい、ファミレスは、客の回転を早くするためにも椅子は固めにつくっています。結局、ダラダラ時間を排除して、起きている時と寝ている時のメリハリがつく家庭環境に工夫していく、ということです。そうすることで夜もグッスリ眠れるようになるのです。
では、最後に関連動画として、上述した社会心理学者のエイミー・カディの動画を紹介いたします。
どうぞご覧下さい。
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