フラクタル原理と生命現象
自然界を理解する上で欠かせないのが、フラクタル現象です。
これは、1960年代にフランスの数学者マンデルブロー(Mandelbrot)により導入された幾何学の概念で、
部分が全体と相似(自己相似)となるような図形をいいます。
フラクタルの代表的なモデルとして、コッホ曲線 (Niels Fabian Helge von Koch, 1870-1924)
があります。
ここでは、このコッホ曲線をもって説明します。下図の左側を追って下さい。
詳しくは、曲線比率や物理数学の知識を要しますが、
ホームページでも諸処に解説がありますので、検索して頂き、そちらでご理解頂きたいと思います。
ここでは、最低、上記の通り、コッホ曲線から基礎的なフラクタル原理をご理解下さい。
さて、ここで特に、注意したいのは、上図・右側の体細胞分裂です。
コッホ曲線の「三等分の真ん中が正三角形になる」という情報は、
つまり、潜在する原理であり、それは染色体遺伝情報(単位塩基配列)に相当させると、
自然現象の分割成長が即ちフラクタルな展開であると理解できます。
一般に樹木や海岸線、植物がフラクタルな外相を帯びるのはそのためです。
フラクタル原理が発生した理由は・・・
次ぎに大切な事は
なぜ、自然現象がこのフラクタルな分割成長をもって成長ルールとしたか? です。
現代の自然科学はここに肉薄して行かなければ現象界は見えてこないし、
学問は専門家・特化しても共有化は、生まれず、ましてや、数理モデルとカオスの関係も見えないのです。
例えば、象も人間もアリも分子の大きさは同じ1nm(ナノメートル,1nmは10億分の1m、)です。
その大きさは分子数の違いです。
象だから、分子が大きく、アリだから分子が小さいという風には出来ていません。
繰り返しますが、なぜ自然界は分割する手法を取ったのでしょう。
答えは、上図中央赤部分の通り、境界を産み出そうとしたのです。
つまり、境界を産み出し、双方向のシステムの中で、「愛や許し」が稼働するようにしたのです。
すなわち、自然とは・・・・、命とは・・・・・
「境界の生命史」とも言ってよいのです。地球は「境界」の産物といってもよいのです。
位置の違いが「ゆらぎ」を生む
もう一度、上図のコッホ曲線・体細胞分裂の展開を見てください。
その展開は共に似ています。
しかし、その流れの中で、最小ジェネレーターのセル(単位)が、各パーツで相似的に展開していますが、
「位置が違う」ということに気づいて下さい。
これは、とても大切な視点です。
位置の違い(境界から発生)がその周辺状況により異なった適応をし、
結果として「誤差」を産出するのです。
例えば下図をご覧下さい。
このように、サンセベリアの葉を葉に対して垂直に、3から4つに切り分けて、
切り口を川砂に挿しておくと、まず根が出て新芽がふきます。
つまり、サンセベリアの細胞1つ1つは、その生を維持するために、
「下は根っこ、上は葉先」ということを理解して、そのように成長するのです。
その場に相応しい分割成長を個々の細胞が判断し、環境に適応しているということです。
※ 京都大学 山中 伸弥教授(物質−細胞統合システム拠点/再生医科学研究所)らの研究グループが、発表したヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)
はじめ、再生医療の世界は、場の適応性を証左するものとである。
このように環境の適応と、その結果生じた「誤差」が定率に反した「ゆらぎ」を産み出しているのです。
フラクタルという数理モデルがカオス(混沌性)を含めて自然界で展開する理由はここにあるのです。
ここに着目すると、数理性とカオスの関係が見え、リズム・自然音の正体が見えてくるのです。
こうやって自然現象は、分割成長させ、混在を良しとしたのです。
異質を混在させ、46億という長い、長い時間をかけて、
そこに、四季折々に変容する豊かな地球の大自然を発生させたということです。
この構図は、意識の世界とも相似展開しています。
時間も空間も含めて、環境によって生じた人類の誤差(人種・性別など)
が、「許し・やさしさ」を産み出す土壌になっているということです。
(関連事項として顕在意識革命をご覧下さい)
ですから、私たちは異質を排斥・隔離するのではなく、この同一空間(環境)の中で、
異質を誠意をもって、見つめ→理解し→受け入れ、創造力をもって「愛」を注ぎ合えるか否か
が試されている。
そういう空間だと言って過言ではないのです。
人間の60兆個の体細胞は、たゆむことなく環境に順応し、共生する動きをしています。
意識もその体細胞にさわしく「意識の進化」を達成しなければならないのです。
その時こそ、心身合一・陰陽合一する境地が達成できるのです。
とにかく、あなたが今できる「優しさ」が何か考えることです。
そして実行することです。天の願いはそこにあるのです。
※ だからこそ、赤鬼の親和力、青鬼の共鳴力、人間のやさしさ、が必要になるのです。
(※ 赤鬼・青鬼については、泣いた赤鬼 つづき をご覧下さい)
ウィンドウを閉じる ・
SAS目次に戻る・
感想メール
|