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職を通して、人の幸せを祈る

安部浩之作品no,071223

                                  文Phot,Kohsi

毎日・毎日、これでイイのか?と思いながら、朝から晩まで、あなたは働いています。

もし、その会社が、毎月の給与もボーナスも1円もくれなかったら、あなたは働きますか?

ほとんどの人が働かないでしょう。

では、あなたは「お金」のために働いているのですか?

「お金」イコール「仕事」ではないけれども、家族のためにも、その要素は大きい。

ということですよね。

最悪、「お金」イコール「仕事」としても

毎日「お金」のために、客に接し、職場の仲間に会い、何かに向かって進む

ということは、少なくとも「お金」が縁で、

「異質な人や物や・・・と摺(す)り合わせの環境を頂いている」

ということです。

そう考えると「お金」というものは多い少ないに係わらず、ありがたい存在だということです。

命を頂いて、そして、職場という環境を頂いている。

摺(す)り合わせの環境を頂いているのです。摺り合わせの中で喜怒哀楽を共に出来るのです。

1章でも触れた通り、摺り合わせることで、良質な物と悪質なものが摺り合わされ、

その中であなたは、より高い「気づき」を与えられ人格を高めるチャンスを頂いているということです。

あなたの意識を、ぜひ、そこに向け、比重を置いて頂きたいのです。

「お金」だけを問題とし、そこにばかり一喜一憂するようでは、

上には上があり、不平不満はつのるばかりです。みじめにもなります。

にも係わらず己の刻苦勉励は棚に上げて、不平不満で心を満たし、蔓延させていては逆効果です。

時として、そこに、同調者がいたりすると気休めになるものですが、

所詮、気休めでしかないということです。

せっかくの「ありがたい職場」も「修羅場」に相違ないのです。

つまり、「ありがたい職場」か「修羅場」かは、あなた自身の心が決めているということです。

先日、あるお弁当屋さんの職員さんに、こんな話しをしました。

 

「病院には、病に苦しむ人が来て、医者や看護師さんがその苦しみを和らげている。

ガソリンスタンドでは、車を動かすためにガソリンを供給し、油まみれになって働いている。

仕事というものは、世間が必要とするから、そこにお金が流通し成立しているのです。

どれが欠けても困るものばかり。皆さんはそんな人たちの食・命の糧を提供している。

これはもう、かけがえのない大変な使命ある仕事たど思います。

ぜひ、そう自覚して頂いて、調理の時も配達の時も、ほんの数秒でも、

「このお弁当で、力をつけて頂き、どうぞ皆さんの助けになるよう動いて下さい」

と祈る気持ちを大切にして下さい。

こういう他者への「祈り心」こそ尊く、天に通じるのです。」

 

その前後は略しますが、ある方からは。

「会社が利益を出すために

毎日毎日、より早く・より無駄なく・より衛生的に・・・・

ばかりを考えていたけど、その発想にはハッとさせられた。」

との言葉をいただきました。

 

みんなが、たとえ少ない給料でも、人の幸せのために祈り、集えたら

その職場は、なんて素晴らしいフィールドだと思いませんか?

それは、この世のパラダイスです。

職場全体がスグに変わることはないでしょう、ただ、この文に接したあなたは、

あなたの「心」1つでスグにでも変わるのです。

そして、ぜひとも、そういう良性の因子を撒(ま)く、先導者・開拓者であって欲しいと願います。

 

天職とは見つけ出すものではないのです。

職を通して、皆の幸せを「祈る」のです。

そうすると、

その職は、その時・その場で

あなたにとってかけがえのない

天職として輝くのです。

 

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