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陰陽の法則


安部浩之作品No,071104
                                文・Phot,kohsi

有機・無機を問わず全ては陰陽の2極により生成されています。

歴史的には、この両儀の発想は、『易経』に見ることが出来

  「易に太極あり、これ両儀を生ず。」とあり

太極から相反する陰陽二つの状態(両儀)に別れ、その二気によって万物の事象が生じとしています。

そして、森羅万象は、相反する陰と陽の二気によって誕生したのであるから、

陰と陽の二気が調和して始めて自然の秩序が保たれる。

と考えるのです。この二極の発想は東洋に限られた事ではありません。

エジプトにおける生と死の観念や古代ギリシャ哲学のエレメントの概念、またマヤ文明にもあります。

さらに、現代宇宙論の立場から言えば

ビッグバン以前、ダークマター(暗黒物質)という圧力や電磁気の力を一切受けない状態の時
宇宙は均一な状態ではなくて、わずかに密度の濃い部分と
密度が薄い部分というのが存在していました。
物質は密度の濃い部分へ重力によって引き込まれて、さらに密度が濃くなっていきます。
この時、宇宙は完全に電離していて、大雑把に言えば暗黒物質、陽子、中性子、電子、光が
混合したプラズマ状態にあったとされています。

つまりこの密度の濃い・薄いが陰陽の始まりとなります。

 

このように、地球ひいては宇宙の全てが陰陽により生成されていますから

(陽)(陰)は勿論、奇問遁甲・四柱推命・宿曜・・とあらゆる占術が

そして、漢方や鍼灸といった東洋医学の世界も陰陽思想をベースとして成り立っているのです。

つまり、身近には、 私たちは、生活をつぶさに観察すれば陰陽の2極が、随所に見える訳です。

他項でも記した通り、体も心も運気も、

この2極のバランスが崩れたときが崩壊・病の方向に向かいますから

日常生活の中でこの陰陽二局を理解し、調整を図ることが、

すなわちバランス調整そのものとなる訳です。

ここでは陰陽の概略として2点、確認頂きたいと思います。

 

−−−−  陰陽は根源の二元相対値  −−−−

1つは「陰陽は根源の二元相対値である」ということ

まず、陰陽の2つは、互いに対極の本質を持ちますが、

事物に固有の属性ではなく相対的に決まる性質があるとします。

それは例えば、同じ炎でも、日中の炎は「陰」ですが、闇夜では炎は「陽」とな り、

宇宙の「陰」に対して、地球は「陽」ですが、生物と地球を対すると地球は「陰」という対立関係だということです。

ですから、Aさんは、Bさんに対しては陽だが、Cさんに対しては陰という状況が生まれます。

でありながら、陰と陽は太極から派生したもので、同根の関係。互いに往来・交合する性質があります。

このように「陰陽とは相対論である」ということであり、

この陰陽フレキシブル性は、地球の特性と位置づけても良いのです。

 

−−−−  天は、「愛」を育むために陰陽二値を設定した  −−−−

陰陽の解説については、多くの方が書籍やインターネット等を通じて、それぞれに情報発信しています。

では、その陰陽の現象世界を遡及して、では「なぜ地球には陰陽を設定したのか?」です。

悲しいかな、多くの陰陽解説者が「だから陰陽バランスを取りましょう」レベルを超えていないのです。

それは、「愛」を育むためです。

男と女がいるから、そこに愛が育める、虫も魚を動物も全て同様です。

陰陽二値がなければ育めないのです。地球の醍醐味は、まさにここにあるのです。

詳細は他項で解説しますが、これが陰陽解釈の肝心要となります。重々ご理解頂きたいと思います。

 

では、より私達の生活との係わり、という視点で見ると

「形の陰陽」・「音の陰陽」・「食の陰陽」と「陰陽」は、根源の姿であるだけにそのテーマは無限大です。

また、その性格からも、詳細を一口で記すには困難があります。

よって講座のそれぞれの項目にて散在することになります。

ただ、ここでは、その現象が「愛」に根付いている事からも、単なる理論・思想として解するのではなく、

是非とも個々の生活の中で実感して頂きたいと思います。

 

例えば、仕事で失敗をした、とても気分がすぐれない、浮ついている。心がフラついている。

そんな感覚があったとします。それは極めて陽気の強い状態です。

その時はその対局である「陰」を求める・試みるということです。具体的には、

   ・陰性のものを食べる、根の物(ごぼう・大根・ニンジン・・・など)
   ・陰性の場に行く(神社仏閣・図書館・書店・・・など)
   ・陰性の色を求める(寒色(青)系の服を着る・青系の部屋や布団に入る)
   ・陰性の行動をする(瞑想・深呼吸をする・人の話を聞く・・・など)

などです。こういう工夫の中にあって、自身の心を省察することです。

そこに「愛」があるか否か・・・・

講座を読み進めながら、より深く、ご理解頂きたいと思います。

よろしくお願いします。

UP画像は、蝶(ツマグロヒョウモン)のさなぎです。金色の水滴のような突起が特徴です。さなぎの中は特別な酵素の働きでドロドロのスープ状の体液に満たされています。この状態が最もエネルギーを必要としない為です。地球の季節・温度を感じ、餌の多い夏に向けて体液がそれぞれ固まりをつくり成虫に向かいます。2007夏に庭先で撮影しました。

 

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