文・Phot kohsi
この地上で生活できるということは、
本当に、「感謝」の連続に満ちていることに気づかなければなりません。
水・空気・太陽・気圧・バクテリア・細菌・心臓・肝臓・・・
どれ1つ欠けても人は生きていけないのです。
だから、空気がある、目が見える、水が飲める・・・・
これだけでも、もう、感謝いっぱいのこの世なのです。
だから、あなたの命は、一瞬一瞬、その存在自体が感謝の固まりだという事です。
にも係わらず、あれもしたい、これもしたいと、不足ばかり言い、
心が右往左往している人があまりに多いのです。
他項「感謝は分子・原子の結合力を強くする」でも紹介した通りですが
感謝は「力」の根本要素として、また宇宙創生の意図からも必須のエレメントなのです。
熊本に住んでいる大野さんは、ある日、予測だにしない不幸な出来事に遭遇しました。
農作業を終え、肥料散布機の掃除をしていた際、
ゴミを取りのぞこうとし、回転刃の中に右手を巻き込まれてしまったのです。
骨ごと砕(くだ)かれて下に落ちる右腕を引き抜こうと、今度は左手を入れると
今度は左手も巻き込まれ、同じく、バリバリと砕かれました。
ついに、頭も体も巻き込まれると知った時、
体を全力で後ろに引き、自らの力で両腕を引きちぎりました。
それは、もう言葉で聞くだけでも、壮絶な一瞬だったろうと思います。
実際、「たすけてー」の声もむなしく、近くに飛んできたお母様もうろたえるだけだったと言います。
その両腕を失った大野さんが、今、腕を失ってはじめて、
人のぬくもり・やさしさ・家族の大切さを知ったと
その心を多くの人に伝えたいと、
絵画や詩にと、精力的な活動を続けています。
その大野勝彦さんの作品が、今、美術館に展示されています。
「プレゼント」と題された詩と絵画ですが、詩のみ、以下に紹介します。
プレゼント
神様、誕生日のプレゼントに一日だけ
両手を返してくれませんか
この事故で心配をかけた人
つらい思いをかけた人の手を
心をこめてにぎりたいのです
そのぬくもりを
大切に心の中にしたいのです
子供達の手をいつ握ったろうか、
思い出せないのです。
一日だけ、つけてもらったら
しっかり、にぎりしめ
父親の手のぬくもりを教えたい
そして
子供達の手の感触を
もう一度だけ覚えさせてください
先祖の仏壇に
心の中だけではなくて
生きていますと
手を合わせたいのです。 勝彦
私たちは、毎日毎日、当たり前のように、思うがままに腕・手・指を動かしています。
もし、腕がなかったら・・・・・・
想像してみてください。
大野さんは義手を何十本と使いこなしています。
それでも思うがままに動かない、釣り糸を結ぶ時は本当に難儀しています。
当然、人のぬくもりを手で感じられない。だから、心底
「1日だけでいいから両手を返して欲しい」と切々と願われるのです。
だから、腕・手のある私たちは、せめて「あたりまえ」は
本当に感謝いっぱいだと言うことを実感しなければならない。
そうしなければ、天に申し訳がたたないのです。
この詩を目にしたあなたは、しっかりと何度も何度も読み返し
大野さんのメッセージを感じて下さい。
そして、不足を言う前に、感謝でいっぱいの地球だということをしっかりと感じて下さい。
(2007.6.19大野勝彦様のご許可を頂き以上、掲載させて頂きました)
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