人の幸せを祈る

 

共感覚の効果

−五感循環法−

安部浩之作品No.080720

                                           文・Phot,Kohsi

共感覚の効果

すでに「共感覚は人の創造力を高め、豊かな心を創る」と記しました。

では、共感覚は具体的にどのような効果を生むのでしょうか。

まとめの意味からも、以下、「五感循環法の効果」として記します。

  五感循環法の効果

  ・人は地球から生まれたのであるから、この自然を対象とし共感覚を涵養するのが好ましい。

  ・五感の対象物を自然物や自然現象(川・鳥・風など)の音・色・形・香・味におくことで

   心身共に、調律効果を持ち、免疫力を高める。

  ・自然界は循環の産物であり、この自然物との共鳴により、その特性である「連鎖→循環」

   という流れと心身が共鳴する。(例えば、自然界の音は、人工物の音と違い全てが他の命と連鎖している。)

  ・自己中心も「連鎖(循環)の上の自己中心」を感覚として理解するようになる。

      (浅学な「自分の幸せ」のためにを他を導こう、自分の考えるように他に影響を与えよう・・・・

                       という発想は誤りであり、自然に学び、巡り(循環)のお手伝いになれば、で充分)

  ・絵画を見て、音を感じ・風を感じ・・・という感覚は感性、特に創造力を豊かにし、

   結果的に、人と喜怒哀楽を共にする方向に向かう。

  ・六感(霊感など)ではなく五感(視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚)は、万人に与えられたもので、

   五感循環は、負荷(邪気)を併発することなく、各人の心魂を高める。 (「自然が師匠」参照のこと) 

  ・五感循環は五感のスパイラル上昇を伴い、創造力を併発する。

  ・五感は個と外部との境界を結ぶ役割があり、五感の循環は、人の感度・感性を高める。

  ・ 数字や文言・画像などと、音や香り、色が共鳴するために、

         右脳的要素が増強され、企画力・記憶力などが高まり提案型となる。

  ・五感循環は感性を高め、「優しさ」や「愛」を育む。

   等々

人体構造を見つめれば明らかな通り、本来、視覚・聴覚・触覚・・・といった五感は通じていますから、

感覚が連鎖する、というのは自然な人の感性であり、むしろ連鎖しない、という事態があるとすれば、

それは感性が落ちた状態とも言えるのです。

では、これだけ「五感連鎖の循環」に効果があるとすれば、

具体的に、どのようにすれば、「五感」は磨かれ、高度化するのでしょうか?

答えは難しい事ではありません。

より自然に近い生活をすれば、するだけ感性は必然的に磨かれるようになっているのです。

例えば、伝統的な日本家屋は高床で自然素材のみで建築され、

外部とは木枠のガラス戸または障子で仕切られるために、当然、すきま風もあり、

   ・冬には。その冬景色(視覚)と肌寒さ(触覚)が連鎖します。

   ・夏には、その青々とした山(視覚)と暑さ(触覚)と蝉の声(聴覚)と草の臭い(臭覚)・・・

    などが連鎖 します。

しかし、最近の傾向の高気密高断熱、完全冷暖房の住宅では、

年中、室内を一定化した状態に保つようになりましたから、夏の景色が見えても、

高気密な居住空間からは、触覚・聴覚・臭覚・・・は連鎖しません。

いわゆる感覚器官が連動しずらくなっているのです。

住宅1つをとってみても、共感覚が磨きづらい環境だと言えます。

また、昭和40年代以降の、

ウォークマンに始まり、ipod・MP3携帯プレーヤー・携帯電話など、いわゆる技術の高度化・小型化は、

結果として、モバイル(移動可能)環境を実現しましたから

   ・めずらしく「鳥のさえずり」が聞こえるのに、ヘッドフォンを通した人工的な音に傾注する。

   ・車中では、せっかく景色が良いのに、ワンセグTVを見ている。

といった状況が次々と生まれ、いよいよ、五感は鈍化し、感性はゆるんでいるのに

「便利だ!進んだ生活だ!」と錯覚しているのです。

しかも、悪いことにモバイル(移動可能)性は、

  ・友がいるのに、会話をせずにDSをする

  ・家族が別々のTV番組を観る。

  ・携帯により、家族(親)が取り次ぎしない。

  等々、

全てが、個人中心で進みますから、必然的に、心も自己中心の方向に向かい、

時として、環境に心を注ぐ、環境に合わせる、人の心をうかがう、

という面が希薄になる傾向を生み出すのです。

感性が劣化するのは必然と言えるでしょう。

 

五感循環を養う

日本のように、物の豊かな国では、長きにわたり自然から乖離した生活習慣が生まれ、

五感の感度は落ちていますから、この生活環境を一気に、改変するのは困難があります。

当方のサイトでは、かつて「自然が師匠」のページで自然体験報告を求めた事があります。

多くの方の意見を頂きました。五感循環の気づきとして、そのまま紹介出来る内容もあります。

別項にて、体系的に紹介したいと思います。

まずは、少しでも、意識的に可能なところから個々工夫をしてみて下さい。例えば

   ・可能な限りエアコン切り、窓を開け、自然の風・音・香りを感じる。

   ・可能な限り、モバイル性の高い物は購入しない。

   ・盆栽であれ、菜園であれ植栽と係わる。

   ・オフの日には、人工物を離れ、自然の中へ入る

などなど、自然との共鳴という視点で、時として、普段、気づかなかった

「音や香りは?」

と問いかけながら、いろいろと工夫してみて下さい。

その問いかけと体験が、調整力を持つのは勿論、

必ず将来、芸術性や創造力・企画力・訴求力に通じていくのです。

 

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