文/phot,Kohsi
故知らず
助けたい
という心が生まれ
その一心で
人の心
が通じ合い、
心がつながる事がある
見過ごせない
出来る出来ないじゃない
損得じゃない
とにかく
力を出し合って
「一緒に助けよう・・・」
これに勝る「人の美徳」はない
異質の混在(混在する生命現象と愛の関係、参照)を許した地球は
この心を貴び賛嘆するのだ。
だから
覚めて、心して事にあたる。
すると、地上には見過ごせない事がいっぱいある。
その「いっぱい」に気づく時、心が豊かになるのです。
下記「看板犬タロー」の話しを通して、その事を少しでも感じて下さい。
(上記クリック)
『荒津亭 犬のタロー』 (2003/12/18)(西日本新聞より)
福岡市中央区の交差点で十五日夜、車にはねられ、うずくまっているところを通行人に救われた老犬は、同区西公園にある食堂「荒津亭」の看板犬・タローだった。「寒かったろう、家に帰ろう」。十七日深夜、入院先の動物医療センター春日(福岡県春日市)で再会した食堂経営の永野富江さん(64)は、タローの頭を優しくなでながら、多くの人の善意に感謝した。タローを囲む病院の一室に、ぬくもりがともった。
タローはオスの雑種犬、八歳。昨年十月、亡くなった常連客の家族から、永野さんが譲り受けた。独り暮らしの永野さんにとっては家族のような存在だ。「潤んだ目が愛らしく、めったにほえなかった」(永野さん)。
放し飼いにすることもあったが、人なつっこく、愛きょうのあるタローはみんなに好かれた。
特に、福岡県志摩町のタクシー運転手、北島清さん(54)は毎日、鳥肉の煮付けを持参して食べさせるほどのかわいがりようだった。
いつも食堂前で客を迎えるタローの姿が消えたのは、十五日午後八時ごろ。タローはその約一時間後、福岡市中央区荒戸の明治通り交差点で車にはねられ、左後ろ足の脱臼などで動けなくなっていた。駆け付けた警察官が渋滞した車の交通整理をする中、通行人が安全な場所に移動させ、治療費を出し合い、福岡中央署のワゴン車で春日市の動物病院に運んだ。
そのころ、永野さんは付近を捜し回ったが見当たらず、福岡市の動物管理センターに問い合わせたが手掛かりはなし。北島さんら常連客にも協力を呼び掛けた。
十六日夕、気にかけながらタクシーを運転する北島さんの耳に、車にはねられた老犬が、市民の協力で助けられたことを紹介するラジオの声が飛び込んだ。白く年老いた犬、青い首輪…。すぐに永野さんに電話した。
「絶対にタローだ」
永野さんは十七日深夜、病院を訪れた。「タロー」。呼び掛けに立ち上がり、歩み寄る。「キャンキャン」。左後ろ足の脱臼は治っていないが、鳴き声には力があった。抱き寄せた永野さんは言葉を詰まらせた。「本当に、みなさんのおかげで…」
事故当日、救出現場に立ち会い、治療費をカンパした人たちも駆けつけた。同市中央区の会社員秋吉美香さん(47)と娘の聖子さん(23)は「よかった。飼い主の元に戻るのが一番の幸せです」。治療・入院費は、カンパで集まった六万二千円では足りなかったが、不足分は佐藤良治院長(54)ら病院側が負担した。
四十人の友人に、引き取り手を募るメールを送った同市南区の競艇選手、鳥飼周平さん(21)も「会いたくなったら、食堂へ行きます」。タローはけがが治ったら再び、食堂前で常連客を迎える。
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