今は過去の圧縮であり、今の心が解凍ソフトである 3 | |
「禅zen」(オフィシャルサイト・下段に予告編動画添付)という映画があります。 道元禅師の生涯を描いた伝記映画ですが、 その中で、「キサー・ゴータミーの話」が原典か?と思われる次のようなシーンがあります。
ある日、赤ん坊が瀕死の病に冒され(原典では既に死んでいる)、 母親は子を抱きかかえながらも 「なんとかしてくれ」 と道元の元を尋ね、せがみます。すると道元は次のように言います。 「身内で死者の出てない家を探して、その家から豆を1粒 もらってきなさい」 母親は1件1件尋ね歩きますが、結局、見つけ出す事が出来ずに 「出てこい!うそつき坊主 ! だましやがったな〜 身内が死んだことの無い家なんか一軒もないじゃないか !」 と怒鳴り散らしながら境内に戻ってきます。 すると、道元の横に立つ弟子が言います。 「そうです。その通りです。そのことを御師匠さんは知って欲しかったのです。」 (道元、子を抱きかかえ涙)
つまり、生きている母親の心の所在を正したエピソードでもあります。 ややもすると精神世界では、不幸の原因を過去・先祖の因果などに求めて、そこを解けば・・・ の発想をしがちです。また自身の病においては、大いなる奇跡を求め歩きます。 しかし、現在は、過去の因果の結果ようやくたどり着いた結実であり、 「今を生きるこの瞬間の心の所在」 こそが調整されなければ、本来の因果は解けないのです。 日々、只今の思いと行動を正すことの意義はあまりに大きいものがあります。
知人で子供の不登校に悩んでいたお母さんがいました。 亭主に責められ、学校に責められ、心痛し、ついにお母さんまでふさぎ込み、 お母さんの方こそ重症の様相でした。 しかし、そのお母さんは 「今こそ私がしっかりしなければ」 と生活の1つ1つを見つめ直し、日々の予定と人の長所をノート(メリットノート)に記録し、 早寝早起きから始めました。たゆむことなく半年続けられました。 分岐点を超えると一気に様相が変化しました。 日々の行動に比例するかのごとく、子供が学校に行くようになったのです。 これは「たまたま・・・」ではありません。万人が只今を正すことで過去の因果はもちろん、 周囲の因果律を調整するまでに変化するということです。 家族では、よくこの現象が起きます。 共に悩み、心痛し、宗教家に・霊能者に・占い師に・・・・と他に救いを求めるばかりでは、 乱れは、いよいよ増幅されます。 一転、己が立ち上がって突破口を開いていくのです。 家族の素晴らしさはここにあります。 「 開運、運が開くとは、 過去のコントロールでも、未来のイメージトレーニングでもなく、 今を開く事 」 なのです。
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