童話について | |
『浦島太郎』・『こぶとり爺さん』・『さるかに合戦』・・・ と、日本伝来の昔話から、アンデルセン童話・グリム童話と、様々な童話が私達の周りにあります。 しかし、そのストーリーは、鮮やかな絵で表現されながらも、 悪者に対する報いや制裁を旨としていたり、極めて、残虐性の高いものもあります。 例えば、『かちかち山』では、 ・ 狸が、おばあさんを殺して汁にし、それを「狸汁」と称して、おじいさんに食べさせる。 ・ウサギがタヌキを騙して、背中の柴(しば)に火をつけて焼き殺そうとし、
失敗するとドロ舟に乗せて殺してしまう。 など、想像を絶するものもあります。 また、『桃太郎』に象徴されるように、単純に「鬼」を悪の権化として、戦いの対象とする発想も 子供に、読み聞かせるには、いささか早計な気もします。
今、童話は如何にあるべきか、その姿を問う必要があるのではないか? と思うのです。私見を以下にまとめました。
・幼児期には、右脳感応度が高く、言葉がイメージ性を誘因し、心象に深く刻まれやすい。 ・勧善懲悪、悪を懲らしめる、という発想を超え、 悪をも受け入れる。「愛念」を注ぐという、新しい視点が必要。 ・ストーリーの奇抜さよりも、上質を追求する。 ・メッセージ性の高い内容であること。
・読者の心のレベルに応じて、それぞれ読み込める内容であること。 ・人間愛に根付いていること。 ・将来の心の成長が考慮されていること。 ・両極を提示しながらも調整力を持つ内容。
などです。 子供の頃に読んだ童話が、人生の指針となったり、潜在イメージに根付き、 将来の成長を大きく左右する場合もあります。 将来を担う、子ども達には、是非とも良き童話を紹介したいものです。
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